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リフォームの「今」と「これから」審査員スペシャルインタビュー

今年も600点に及ぶ作品が応募されたリファイン大賞。全国審査を担当したみなさんにお集まりいただき、作品を振り返りながらリフォームの「今」と「これから」について語っていただきました。

リフォームは今やポピュラーな選択肢のひとつ

西濱 最近はTVなどのメディアでリフォームが取り上げられることも増えて、ポピュラーになってきたなと感じています。審査対象の作品を見ても、同一階の水廻りの位置変更は当たり前で、1階から2階への移動も特別ではなくなってきました。お客さまは無理と思っていても、ショップ様の技量で叶えられたリフォームを興味深く拝見いたしました。

藤本 提案する内容の質が高くなっていると感じています。特に、構造補強や断熱といった基本性能の向上がテーマの一つに挙げられるのではないかと思います。国のリフォームに対する政策が後押しする面もあり、今後リフォーム品質の底上げになるという意味では、とてもいい傾向ですね。古民家のリフォームも一つのスタイルとして今やスタンダードになったのではないでしょうか。

西濱 耐震補強、断熱は必ず必要になるものですが、お施主様としては、当然やるべきこととして認識していらっしゃいますよね。リフォームに対する考え方、意識の高さがいろいろな所に見受けられました。

小さな変化で大きく住まう新しいスタイルの増築

小さな変化で大きく住まう新しいスタイルの増築

福澤 印象に残ったのが、「小さな増築」です。増築部分は4分の1坪(90センチ四方)と少ない面積なんですが、それによってリビングとダイニングのつながりが非常にスムーズになった、という作品がありましたよね。面積やコスト的には小さくても、大きく住まい方が変わるといったことかなと、思わず膝を打ちました。

藤本 「ちょっとだけ変えて、たくさん便利になる」という増築は確かに今回、目立っていましたね。キッチンを45センチだけ広げて使いやすさがぐっと良くなる、といったケースであったり。一般的に「増築」と聞くと大規模なものを想像してしまいがちですが、こうした小さな増築の傾向はかなり強く出ていたのではないでしょうか。

福澤 平屋のお宅にロフトを作って、家族4人で住まわれるための個室を確保していた作品もありました。個室そのものは決して大きくはありませんが、空間に広がりがあって、すごく開放的なんですよね。「小さな変化で大きく住まう」という増築が今年のトレンドの一つといえるかもしれません。

藤本 逆に少なかったのが「減築」でしょうか。昨年やおととしに比べて、大規模な減築は今年あまり見られませんでした。ただ大きなものでは、2階の床を撤去して大きな吹き抜けをつくっている作品、これもある意味「減築」ですから、非常に興味深かったですね。小さくすることによって便利になったり、風が流れるようになったり、光が射し込みやすくなる減築もあれば、空間を大きく使う減築もある。身の丈サイズにすることで逆にいろいろなメリットが出てくる減築は、今後もさまざまな可能性を秘めていると思うので、毎年楽しみにしています。

「ひと手間」かけることで住まいの魅力につながる

「ひと手間」かけることで住まいの魅力につながる

福澤 もう一つ今回おもしろかったのが、倉庫を住居にしている作品、というのがありまして。アメリカ郊外の住宅に見られるガレージのような感覚でしょうか。そこまで大きな流れにはまだなっていないものの、いずれ都市部のちょっと外れた倉庫のような場所が若い人に人気のエリアになっていくかもしれませんね。

西濱 やはりリフォームに関して一般の方々も非常に知識を持ってきていますから、ただ単に便利になる、キレイにする、というリフォームでは満足しなくなってきていると思うんです。

福澤 特に今どきの若い人達は「住宅」に対する固定観念も少なくて、すごくフレキシブルになってきています。断熱や基本性能といった部分は必ず視野に入れながらも、倉庫のようなスペースも住居として選択肢のなかに入ってくる社会も近いのかな、という風に感じました。数年前からスタンダード化した自然素材のリフォームも、最近では壁の一面だけとか、アクセントウォールのようにそこだけ色を変えて遊び心をプラスしたりだとか、個性を活かしてリフォームを楽しむ流れが来ているのかな、と思いますね。

藤本 中古住宅を買って、子育て世帯やDINKSがフルリフォームして入居する、といったいわゆる「ストック活用」型のリフォームも、ずいぶん増えてきましたからね。かなりスタンダードに近いところまで来ているのではないかと。

西濱 リフォームの良さは何かというと「ひと手間」があるかないかだと思うんですよね。何かひと手間加えて作り込んだり、自分のためだけに何か空間が設けられていたり。そうした「ひと手間」があるだけで、住む人にとってオリジナルな、愛着の持てる空間に変わるのではないか、という感じがします。

藤本 設計の面でも、施工の面でも、いくつもの手間がかかっているものにはやはり、リフォームならではの価値を感じますよね。

西濱 今回の傾向をふまえながら、住まい方に対するコンセプトやテーマをしっかり持った家、というのがリフォームならではのあたたかみや魅力として愛されていくのではないでしょうか。

西濱浩次さん 建築家(株)コンパス建築工房 代表取締役

福澤佳恵さん 『SUUMOリフォーム』 編集長

藤本一彦さん パナソニック(株)エコソリューションズ社 デザインセンター 所長

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